解説

防爆構造の分類

  1. 点火源の実質的隔離

    電気機器の点火源となるおそれがある部分を周囲の爆発性ガスから隔離して接触させないようにする為に、電気機器を密閉構造にする方法が考えられる。
    この場合パッキン類を用いた密閉構造では恒久的信頼性が低いので、これに代わるものとして、耐圧防爆、内圧防爆、油入防爆などがあります。

  2. 無火花電気機器の安全度増強

    通常の状態においては、点火源となるような電気火花部や高温部が存在しない電気機器について、特に安全度を増加して故障が起こりにくくしたもので、安全増防爆構造が該当します。

  3. 点火能力の本質的抑制

    弱電流回路の電気機器において、通常の状態のみでなく、事故時に発生する電気花火及び高温部についても、爆発性ガスに点火する恐れが無い事を試験その他により十分に確認されたもので、本質安全防爆構造が該当します。

技術的基準と構造規格との主要相違点

技術的基準 構造規格
構造 耐圧防爆構造

  • 導線引込方式:

    間接引込方式:端子箱必要
    直接引込方式:端子箱必要

  • 透明窓の開口面積は制限なし
  • 端子箱内には汎用端子台の使用が可能

安全防爆構造、内圧防爆構造

  • 錠締め構造が不要

耐圧防爆構造、安全増防爆構造、内圧防爆構造

  • 表示灯のレンズ(ガラス部)にガード不要
  • 容器内に汎用端子台の使用可能
耐圧防爆構造

  • 導線引込方式:

    間接引込方式のみで端子箱が必要

  • 透明窓の開口面積は100cm²以下
  • 端子箱内には安全増防爆構造の端子台が必要

安全増防爆構造、内圧防爆構造

  • 錠締め構造が必要

耐圧防爆構造、安全増防爆構造、内圧防爆構造

  • 表示灯のレンズ(ガラス部)にガード必要
  • 安全増防爆構造の端子台が必要
容器強度 耐圧防爆構造、安全増防爆構造、内圧防爆構造

  • 耐圧防爆構造の爆発強度以外に衝撃強度が必要
耐圧防爆構造、安全増防爆構造、内圧防爆構造

  • 爆発強度(980kPa以上)に耐えればよく、他の防爆構造における強度の規定はない
使用場所 本質安全防爆構造

  • ゾーン0では、Exia機器のみ使用可能

安全増防爆構造

  • ゾーン1で使用可能
本質安全増防爆構造

  • ゾーン0では、本質安全防爆構造の機器が使用可能

安全増防爆構造

  • ゾーン2専用