解説
盤内発熱量(推定値)を求める方法この参考1は本技術資料を補足するものである。
盤用クーラーを選定するときに、冷却しようとする盤内に収納される機器、配線などから発生する熱量を考慮して、盤用クーラーの冷却能力を選定しなければならない。
この選定に必要な盤内発熱量(推定値)の求め方について、代表的な2つの方法を示す。
1 盤内に収納されている機器の発熱量を一般的目安から計算して求める方法
- 算出方法
盤内発熱量(推定値)は、盤内収納機器それぞれの発熱量を各メーカのカタログ、資料など又は、一般的目安より読み取り加算することで求めることが出来る。
尚、収納機器の発熱量の一般的目安については、盤用熱関連機器技術研究会技術資料第001号(盤内収納機器の発熱量(目安)指針)を参照。 - 算出にあたっての注意
算出にあたっては、次の注意が必要である。
(1)発熱量自体負荷の状態によって異なるもので、場合によって負荷率を考慮に入れる必要がある。
(2)配線やその他の小物部品なども発熱源となるので、考慮に入れる必要がある。
盤内温度及びその時の外気温度を測定し簡易的に求める方法
- 算出方法
制御盤キャビネットに冷却器、換気口などが無い状態で盤内温度とその時の外気温度を測定することにより、次の計算式から簡易的に求めることが出来る。
算出例(目安)
- 有効表面積 S
制御盤キャビネット外形寸法(鉄板製、自立床置型)
横1000 × 縦2000 × 深さ600〔mm〕
s=7〔m²〕(底面積を除く。また、盤用クーラーの取付面積は無視している。) - 外気温度(測定値)T3
T3=30〔℃〕
- 盤内温度(測定値)T4
T4=60〔℃〕
- 制御盤キャビネット(鉄板製、自立床置型)の熱通過率 U
U=5〔W /(m²・K)〕(1)
- 外気温度T3と盤内温度T4との差 △T
△T=T4- T3 〔K〕
- 盤内発熱量(推定値)Pを求める。
P =UXSX△T
=5×7×30
=1050〔w〕注(1) 制御盤キャビネット( 鉄板製) の熱通過率U は5 ~ 6〔W / (m²・K)〕が目安であるが、例として、U=5〔W / (m²・K)〕で行った。
- 有効表面積 S
- 算出にあたっての注意
算出にあたっては、次の注意が必要である。
(1)盤内温度を測定する際には、測定ポイント数及び冷却対象機器の位置に適宜考慮すること。
(2)盤内温度は、各々の測定ポイントの温度が一定になった状態において、その平均温度を用いること。
(3)盤内温度を、特に夏場のように周囲温度が高い場合で換気口などを塞いで測定する場合は、収納機器を壊さぬように、盤内温度上昇に気をつけること。