解説

IEC(International Electrotechnical Commission 国際電機標準会議)規格(IEC60529)による保護構造

IP:保護等級
保護特性記号(International Protection)

① 第1特性数字

危険な部分への接近に対する保護および外部固形物に対する保護の程度
0 保護なし
  • 人体および固形物の信に雄に対する保護は、特に考慮されていない。
1 ip01
  • 直径50mm以上の固形物が内部に侵入しない構造。
  • 手の甲などが誤って内部の充電部や可動部に接触する恐れがない構造。
2 ip02
  • 直径12.5mm以上の固形物が内部に侵入しない構造。
  • 指又は長さが80mmを超えない指先類似物が内部の充電部や可動部に接触する恐れがない構造。
3 ip03
  • 直径または厚さが2.5mm以上のワイヤや固形物が、内部に侵入しない構造。
4 ip04
  • 直径または厚さが1mm以上のワイヤや固形物が、内部に侵入しない構造。
5 ip05
  • 機器の正常な動作および安全性を阻害するほどの量の粉塵が侵入しない構造(紡じん)。
6 ip06
  • 粉塵が内部に侵入しない構造(耐じん形)

② 第2特性数字

水の浸入に対する保護の程度
0 保護なし
  • 水の浸入に対して特に保護されていない。
1 垂直に敵下する水に対する保護。ip2-01
  • 垂直に適下する水が有害な影響を及ぼさない構造。
  • 試験方法:回転台(1 回/ 分の上に置き、毎分1mmの流量で10 分間滴下する。
2 15 度以内で傾斜した場合の垂直に滴下する水に対する保護ip2-02
  • 外郭が垂直に対して両側に15 度以内で傾斜したとき、垂直に滴下する水が有害な影響を及ぼさない構造。
  • 試験方法:15 度傾斜させて固定し、4 位置でそれぞれ毎分3mmの流量で2.5 分間ずつ滴下する。
3 散水に対する保護。ip2-03
  • 鉛直から60°以内の降水によって、有害な影響を及ぼさない構造。
  • 試験方法:半円式の散水装置にて鉛直方向から、両側60°までの角度で10分間散水する。
4 水の飛沫に対する保護。ip2-04
  • いかなる方向からの水の飛沫によっても、有害な影響を及ぼさない構造。
  • 試験方法:半円式の散水装置にて各散水孔当たり毎分0.07ℓの水を鉛直方向から、両端180°までの角度で10 分間散水する。
5 噴流に対する保護。ip2-05
  • いかなる方向からのノズルによる噴流水によっても、有害な影響を及ぼさない構造。
  • 試験方法:内径6.3mm の放水ノズルにて、毎分12.5ℓの水を2.5 ~ 3m の位置から3 分間以上散水する。
6 棒噴流に対する保護。ip2-06
  • いかなる方向からの水の強い、ジェット噴流によっても有害な影響を及ぼさない構造。
  • 試験方法:内径12.5mm の放水ノズルにて、毎分100ℓの水を2.5 ~ 3m の位置から3 分間以上散水する。
7 水中への浸漬に対する保護。ip2-07
    • 推進1m* に30 分間没しても、水が浸入しない構造。

* 高さが850mm 以上の機器は、機器の最上端から水面までの距離を150mm とする。

③ 付加特性文字記号(オプション)

危険な部分への接近に対する保護の程度
A 手の甲による接近に対して保護されている
B 指による接近に対して保護されている
C 工具による接近に対して保護されている
D 針金による接近に対して保護されている

④ 補助文字記号

補足表示
H 高圧用機器
M 回転機のロータ等のような器具の可動部分を動作させた状態において水の浸入による有害な影響について試験したもの。
S 回転機のロータ等のような器具の可動部分を停止させた状態において水の浸入による有害な影響について試験したもの。
W 所定の気象条件のもとでの使用が可能であり、付加的な保護構造又は処理が施されたもの。