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Question (質問)

産業用イーサネットとは

Answer (回答)

イーサネットはオフィス、家庭等身近なところでも使われているものですが、産業用イーサネットはそれとは違い、高い堅牢性と確実性が求められます。

まず、堅牢性ですが、産業用イーサネットのコネクターやケーブルは堅牢につくられており生産現場のノイズにも耐えられる作りになっています。
特に寒暖差、振動や腐食がある環境だとこれらの要素が重要になります。

さらにもっと重要なのが確実性(determinism)です。
イーサネットはそもそも確実(deterministic)なネットワークではありません。
歴史的にはRS-232やRS-485のプロトコルを使ったネットワークが主流でした。
これらのネットワークは半二重方式のため、決められた時間内に通信を確実に行うネットワークですが、通信速度が遅いというのが難点でした。

一方、イーサネットは通信速度は速いですが、通信を完了する時間を予期することは難しいものでした。
イーサネットの速い速度で、RS-232のように確実に時間内に通信が行えるネットワークを目指して各社が鎬を削り、数多くの産業用イーサネットが生まれました。
通信を確実にする方法はさまざまですがデータパケットを定められて時間に送受信されるよう保証されるような仕組みが採用されています。

何故、確実性が重要でしょうか。
オフィスでは通信障害でホームページにアクセスできなくなり、更新してアクセスできた、という状況が発生したとしてもたいしたロスではありません。
しかし、産業用イーサネットが使用される生産現場等ではそれが命取りになり、大きな損害に繋がることもあるからです。

最後に産業用イーサネットのいくつかの例について紹介したいと思います。
産業用イーサネットとしてPROFINET®、EtherNet/IP®、EtherCAT®、Sercos III、POWERLINK等があります。
なかでも、Siemens発のPROFINETやRockwell 発のEtherNet/IPがそれぞれ産業用イーサネットのシェアで半分以上を占めるネットワークとなっています。