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Question (質問)

PLC本体にメモリーカードが入っておりますが、この中にプログラムが入っており、本体を交換してもこのカードを挿入すれば大丈夫なものでしょうか?

Answer (回答)

はい、PLC本体に入っているメモリーカード(特にMMCカードを使用するS7-300 CPUの場合)には、ユーザープログラムが保存されているため、基本的には、同じ型番または互換性のある新しいCPU本体にそのカードを挿入すれば、以前のプログラムをそのまま実行できるはずです。
ただし、いくつかの重要な注意点があります。

CPUの型番と互換性: 新しいCPU本体が、使用していたメモリーカードの種類(MMCまたはフラッシュROM)に対応しているか、また、プログラムがそのCPUのハードウェア構成や機能と互換性があるかを確認する必要があります 。異なる型番のCPUでは、内蔵インターフェースやサポートするモジュールなどが異なる場合があり、古いCPU用に作成されたプログラムがそのまま動作しない可能性があります。

ファームウェアバージョン: CPU本体のファームウェアバージョンが、プログラムが作成された当時のCPUのファームウェアバージョンと大きく異なる場合、予期しない動作を引き起こす可能性があります。可能であれば、新しいCPUのファームウェアバージョンを古いCPUと同じか、互換性のあるバージョンにアップデートすることを推奨します。

ハードウェア構成: プログラムは、元のPLCのハードウェア構成(搭載されていたモジュールやその設定など)に基づいて作成されています。新しいCPUに取り付けるモジュールの構成が元のものと異なる場合、プログラムのI/Oアドレスなどが一致せず、正常に動作しない可能性があります。ハードウェア構成が変更されている場合は、STEP 7などのプログラミングソフトウェアを使用して、新しいハードウェア構成に合わせてプログラムを調整する必要がある場合があります 。

初期化: まれに、新しいCPUにメモリーカードを挿入した後、初期化が必要となる場合があります。CPUのマニュアルを参照し、必要に応じて初期化手順を行ってください。

ライセンス: 一部のソフトウェア機能やテクノロジーオブジェクト(PID制御やモーションコントロールなど)がプログラムで使用されている場合、それらのライセンスが新しいCPUでも有効であるかを確認する必要があります。ライセンスは通常、CPU本体またはメモリーカードに関連付けられている場合があります。

バックアップ: 万が一の事態に備えて、新しいCPUにメモリーカードを挿入する前に、可能であれば元のPLCからプログラムのバックアップを取っておくことを強く推奨します。ソースには、MMCメモリを使用するCPU31xnewにおいては、通常のオンライン書き込み操作でMMCの中にブロックが書き込まれており、電源OFF/ONでも保持されると明記されています。これは、メモリーカードにプログラムが保存されていることを強く示唆しています。
したがって、基本的にはメモリーカードを挿入することでプログラムは移行できると考えられますが、上記のような互換性、ハードウェア構成、ファームウェア、ライセンスなどの要素を慎重に確認し、必要に応じて設定や調整を行うことが重要です。新しいCPUの取扱説明書や、STEP 7などのプログラミングソフトウェアのヘルプを参照しながら作業を進めることをお勧めします。