高信頼性SIL3対応
助燃バーナー制御盤
導入事例
重工業向け
排熱回収ボイラー設備の無停止・安全制御アーキテクチャ
B2B Technical Case Study & Solution Showcase
エグゼクティブ・サマリー
プロジェクト概要
Client:大手化学メーカー
Contractor:重工業
Application:ガスタービン排熱回収ボイラー設備
ミッション
SIL3対応の安全計装と、24時間連続運転を可能にする完全冗長化制御システムの構築。
コアテクノロジー
PLC: SIEMENS S7-1500シリーズ(冗長化CPU)
Network: PROFINET(最長150mの長距離伝送)
Safety: SIL3準拠インターロック機能搭載
助燃バーナー制御
究極の安全性
ガスタービン排熱ボイラーの異常燃焼を防ぐため、国際安全規格 「SIL3」に準拠した厳格なインターロック制御が必須。
過酷な環境条件
屋外プラントに準拠する設置環境。
・温度:最高40℃/最低-8℃(凍結防止対策必須)
・耐震: 設計水平震度 KSH = 0.3
無停止の連続稼働
工場プラントの心臓部として24時間連続運転が条件。システム異常時でも1秒以内での切り替えが求められる。
システムの頭脳: SIEMENS S7-1500冗長化アーキテクチャ
SIL3対応機能
ハードウェアおよびソフトウェアの両面で厳格なフェイルセーフ設計を実装し、ボイラー設備の安全を担保。
透過的な冗長性
CPUモジュールの完全2重化(Active/Standby)。異常発生時もプロセスに影響を与えずシームレスに処理を継続。
高速・広帯域通信
産業用イーサネット「PROFINET」を採用し、現場と制御室間の大容量・リアルタイム通信を実現。
技術ハイライト1:1秒未満の超高速フェイルオーバー
同期リンク
専用の光ファイバーケーブルHSYNCにより、メモリと内部状態を常時同期。
異常検知
CPU01Aにハードウェアまたはネットワークの異常が発生。
瞬時切替
1秒以内最大1sec以下にCPU01Bがプライマリとして制御をテイクオーバー。ボイラーの運転を一切停止させない。
制御の空白時間を極限までゼロに近づけ、プラントの「止まらない」運用を確約。
技術ハイライト2:PROFINETによる長距離・高信頼ネットワーク
Data Flow Anatomy
現場
制御盤
中央監視室
長距離I/O統合
現場から150m離れた制御システムを、PROFINETを介してリモートI/O(IM155-5-PNHF)で中継・統合。
一元監視 (EWS連携)
冗長化されたHUBを経由し、EWS(監視用PC)にてボイラーの運転状況をリアルタイムに可視化・制御。
設計の工夫1:機能分離に基づくハードウェア配置(盤内レイアウト)
Top Zone (Control/Logic)
冗長化CPU (CPU01A/B) およびリモートI/Oを上部に配置。熱源から遠ざけ、演算モジュールを保護。
Middle Zone (Power/Protection)
電源ユニット (PS01A/B) およびノイズフィルタ (NF01A/B) を中間層に集約し、電源ノイズの干渉を遮断。
Bottom Zone (I/O Terminals)
端子台 (TBシリーズ) を下部に集中配置し、外部ケーブルの配線作業性とメンテナンス性を劇的に向上。
設計の工夫2:屋外プラント環境に耐えうる堅牢設計
防塵防滴 (IP55)
簡易防塵防滴構造(IP55相当)の自立閉鎖型キャビネットを採用。微小な粉塵や水流から精密機器を完全保護。
凍結防止・温度管理
-8℃の環境下における8時間連続曝露を想定。盤内ファン (FAN1/FAN2) による放熱と、配管系の水抜き・凍結防止対策を連携。
耐震構造
重要度分類に基づき、基礎ボルト (ケミカル/オールアンカー) での強固な固定を実施。設計水平震度 KsH=0.3 をクリア。
ノイズ・サージ対策
高調波流出電流対策およびガイドライン適用部品の選定。シールドアースの分離など、徹底したノイズ遮断機構。
設計の工夫3:30分間のバックアップを保証する無瞬断電源システム
受電 DC100V
受電 AC110V (一般用)
UPS (無停電電源装置)
冗長化電源ユニット
(A系)
冗長化電源ユニット
(B系)
無瞬断タイプのUPSを導入。
設備全体の定格電流×50%の負荷に対し、30分間の保持能力を確保。瞬時停電に対する完全な耐性
SIEMENS製電源モジュール (6EP1336-1LB00等)を
A系・B系それぞれに独立配置し、単一障害点(SPOF)を排除。

統合性信頼性マトリクス:多角的な安全対策のアプローチ
CPUの1秒以内フェイルオーバー
常時HSYNC監視
断線検知・警報発報ロジック
物理的なケーブル分離配線
シールド線の厳格な接地(アース)処理
KsH=0.3耐震アンカー
-8℃耐寒設計
1. 絶縁・耐圧試験
2. 全数I/Oシミュ
レーション
3. SIL3インター
ロック試験
4. フェイルオーバー
通信試験
制御回路 DC500Vメガにて5MΩ以上、商用周波 耐電圧試験によるハードウェアの安全性確認。
ダミー信号を用いたプロセスアラーム(プロセス値、プロセス異常)の100%導通・ロジック確認。
助燃バーナー遮断弁、ガス入口遮断弁など、クリティカルな安全装置の強制遮断テストと応答速度の計測。
意図的なCPU停止・LANケーブル抜線による、冗長化切り替え時の無停止・SOE(シーケンスオブイベント)認識テスト。
出荷
導入効果と提供価値
妥協なき安全性の確立
SIL3要件を完全クリア。重工業の厳しい安全基準を満たすインターロック網により、重大インシデントのリスクを極小化。
稼働率の最大化
1秒以内のCPU切り替えと無瞬断UPS、冗長化I/O通信により、プラントの24時間365日連続稼働を強固にサポート。
保守性・拡張性の向上
SIEMENS S7-1500の統合環境と、物理的なノイズ・熱分離設計により、稼働開始後のトラブルシューティングと将来的な機能拡張を容易に。
複雑な要求仕様を、確かな「信頼のブループリント」へと昇華させます。





