地熱発電所 納入事例


地熱発電所向け
監視制御システム
納入事例

20kmの遠隔操作と約1,300点のI/Oを統合する、次世代ミッションクリティカル制御盤

高信頼性制御システム

遠隔統合監視

SIEMENS PLC

冗長化設計

3つの技術的課題

過酷な環境下における3つの技術的課題

地熱発電プラントにおける24時間365日の無停止稼働を実現するための絶対条件。

1. 究極の遠隔操作性
(Distance)

・プラント現場から約20km離れた統合監視拠点。
・距離による遅延や情報欠落を排除し、現場のHMI (タッチパネル) と同等の完全な操作権限とレスポンスが必須。

2. 多様で膨大な設備の統合
(Complexity)

・タービン、発電機、ダウンホールポンプ、媒体ポンプなど、独立したパッケージ設備群。
・異なる通信プロトコルが混在する環境下でのシームレスなデータ統合。

3. 計器類の確実な保護
(Environment)

・落雷やサージリスクが極めて高い自然環境。
・プラントの命綱となる1,000点を超えるセンサ・信号網を瞬停や過電圧から確実に守り抜くハードウェア設計。

システム・製品概要

システム・製品概要:プラントの新たな頭脳

全設備を統合監視する主幹制御盤およびリモートI/O盤の完全新規設計・構築。

主幹制御盤 (MCP):盤面5面構成の自立型統合制御盤。

リモートI/O盤:タービン建屋内に設置し、現場配線を最適化。

コア・テクノロジー: SIEMENS製高性能PLCを中核に据え、ミッションクリティカルな制御ロジックを実行。

処理規模: デジタル入出力(DI/DO)、アナログ入出力 (AI/AO)を含む、総計約1,300点のI/Oポイントをミリ秒単位で集約・処理。

通信アーキテクチャ

通信アーキテクチャ:異機種プロトコルの完全統合

約1,300点の信号を遅延なく捌く、ハイブリッド・ネットワーク設計。

高速制御ループ (SIEMENS Native)

PROFINET / PROFIBUS-DP:

・主幹制御盤、リモートI/O盤、およびタッチパネル(HMI)の基幹通信。
・大容量データを極小のサイクルタイムで同期。

・主幹制御盤
(SIEMENS PLC)

パッケージ設備連携ループ (Third-party Integration)

MODBUS TCP/IP:

・タービン制御盤 (UCP)
・発電機制御
・各独立したパッケージ設備のステータスと制御信号を主幹PLCへシームレスにマッピング。

遠隔監視インフラ

遠隔監視インフラ:20kmの距離を超越する操作性

単なる「画面転送」ではなく、セキュアで独立した遠隔制御環境を構築。

セキュア・ネットワーク網:

・VPNルーター (FortiGateベース)を介した暗号化通信。
・特定IPアドレスのみの通信許可による堅牢なアクセス制御。

専用オペレーションステーション:

・遠隔監視用デスクトップPC × 3台 +マルチモニター環境。
・ウイルス対策ソフト(Trend Micro相当)の標準実装。

SIEMENS 遠隔監視ネイティブ実装:

・SIEMENS 遠隔監視用ライセンス(5台分)をシステムに組み込み。
・現場のHMIと完全に同期し、20km先からでも遅延のないプラント制御を実現。

パラダイムシフト:比較

パラダイムシフト: 従来手法との比較

従来手法

本ソリューション

[監視体制]

現場パトロール依存。異常発生時の初動遅れ。

[システム連携]

設備ごとに独立した個別監視盤(サイロ化)。

[拡張・保守性]

フル・ハードワイヤードによる複雑な配線と高い断線リスク。

[監視体制]

20km先からのリアルタイム常時統合監視。少人数での安全運用。

[システム連携]

MODBUS/PROFINETによる全設備のデータ一元化。

[拡張・保守性]

リモートI/Oの活用による大幅な省配線化と、将来のノード追加の容易さ。

技術ハイライト1:無停電設計

技術ハイライト1: 制御の心臓部を守る無停電設計

プラント停電時でも「制御の頭脳」を失わない、ミッションクリティカルな電源構成。

負荷分散型メイン電源:

-SIEMENS SITOP 24V (6EP1336-1LB00等/20A)をラックや系統ごとに複数配置し、単一障害点(SPOF)を排除。

無瞬断バックアップ (DC UPS):

-SIEMENS DC UPSモジュール
(6AG1961-3BA21-4AX0 / 40A) を実装。
-外部電源の瞬停時でも、PLCロジックとネットワーク通信をシームレスに維持。

系統別短絡保護:

-三菱電機製 サーキットプロテクタ (CP30-BA) およびノーヒューズ遮断器 (NF32-SVF) により、盤内系統ごとのきめ細やかな保護回路を構築。

技術ハイライト2:入出力最適化

技術ハイライト2:膨大な現場入出力の最適化

約1,300点に及ぶ信号の「神経網」を正確かつ堅牢に捌くハードウェア選定。

プッシュインPlus端子台の採用:

– I/Oリレーターミナルに OMRON製G70V-SOC16P-1 を全面採用。
– 過酷な稼働振動によるネジの緩みリスクを根本から排除し、結線工数も大幅に削減。

適材適所のケーブル品質:

– ノイズ耐性と施工性を両立するため、KIV 2.0 mm² / 1.25 mm² などを信号特性に応じて厳密に使い分け。

設計の工夫:フェールセーフ

設計の工夫: 図面から読み解くフェールセーフと雷サージ保護

過酷な自然環境の脅威から、プラントの最重要パラメータを死守。

・徹底したSPD(避雷器)実装:

– 重要計器ラインすべてにサージ防護デバイス(MLP-C24, MLP-TR等)を配置。

・保護対象となる重要管理点(例):

– ダウンホールポンプ 出口熱水温度(TIT-GHW01)
– ダウンホールポンプ 出口圧力(PIT-GHW01)
– ダウンホールポンプ 出口熱水流量(FT-GHW01)

・ノイズ遮断アース設計:

– FG (フレームグラウンド)、PE(保護接地)、SE(シグナルアース)を明確に分離。専用の銅バーによる確実な接地に落とし込むノイズ対策。

エンジニアリング・プロセス

確実な立ち上げを約束するエンジニアリング・プロセス

緻密な事前検証とドキュメント整備により、現地でのコミッショニング (試運転) リスクを最小化。

Stage 1

厳密なハードウェア設計:

外形サイズ、重量だけでなく、盤内の「発熱量」と「消費電力」を全コンポーネント単位で計算し、熱暴走を防止。

Stage 2

網羅的なドキュメント提出:

・ソフトロジック図面
・帳票(ログ) 仕様書
・アラーム/ガイド一覧表

Stage 3

現地工期の短縮:

試運転開始前の「システム立上げ手順書」を完備。工場出荷前の厳格なシミュレーションにより、プラント稼働までのリードタイムを大幅に削減。

納入後の効果・提供価値

納入後の効果・提供価値

1. オペレーションの革新
(Innovation)

20kmの距離を一切意識させないリアルタイム統合監視。現場の常駐要員を最小化しつつ、安全で高度なプラント運用を実現。

2. ダウンタイムの極小化
(Reliability)

DC UPSによる無瞬断設計と徹底したサージ保護設計。電源異常時や激しい雷雨時における制御システムの停止リスク、および復旧にかかる時間を極限まで低減。

3. データ主導の予知保全
(Data-Driven)

約1,300点以上の設備データを単一のPLCネットワークに一元化。高精度なアラーム履歴やトレンドログに基づき、事後対応ではなく「予知保全」が可能に。

エンディング

「複雑なプロセスを、シンプルで確実な制御へ。」

過酷なプラント環境から精密な製造ラインまで。
最適な機器選定と妥協のない盤設計で、お客様のミッションクリティカルなインフラを支えます。