Answer (回答)

お問い合わせいただきありがとうございます。

SIEMENS製PLCからプログラムを吸い出す際は、以下の点を事前にご確認ください。

【使用するCPUシリーズと対応ソフトウェア】
PLCのCPUシリーズによって、使用するエンジニアリングソフトウェアが異なります。主に以下の2種類に分かれます。
●SIMATIC Manager:S7-300・S7-400シリーズで使用。
●TIA Portal:S7-1200・S7-1500シリーズに対応。STEP 7 Professionalを使えば、S7-300/400シリーズにも対応可能です。
※SIMATIC Manager(STEP 7 V5.x)とTIA Portalの間には互換性がないため、必ず対象CPUに合ったソフトウェアをご用意ください。

【通信機器とGSD/GSDMLファイルの確認】
SIEMENSのPLCは、主にPROFIBUSやPROFINETで外部機器と通信しています。
これらの機器と正しく通信するためには、GSD(PROFIBUS用)やGSDML(PROFINET用)ファイルが必要です。
●GSD/GSDMLファイルが必要な理由
 1. 既存ネットワークの正確な把握
  プログラムデータを吸い出す前に、既設の通信ネットワークに接続されているすべての機器(PLC、HMI、IOデバイス、インバータなど)の種類と構成を正確に把握することが不可欠です。
 2. デバイスの認識と設定
  GSD/GSDMLファイルは、エンジニアリングソフトウェアが各デバイスを正しく認識し、通信パラメータ(例えば、PROFINETにおける装置名やPROFIBUSにおけるノードアドレス)を設定するために必要です。
 3. メーカー間の互換性
  ネットワーク機器がシーメンス製品で統一されている場合は、エンジニアリングソフトウェアに内包されているGSD/GSDMLファイルで対応可能な場合が多いです。
 4. 他社製品の場合の対応
  他メーカーの製品と通信している場合は、その各メーカーのウェブサイトから該当するGSD/GSDMLファイルを事前に取得する必要があります。
●ファイルがない場合の注意点
 プログラムデータの吸い出し自体は可能ですが、吸い出したデータを用いてハードウェア構成を変更する際に、未取得のGSD/GSDMLファイルに対応する製品との通信設定が実質的に不可能になります。
 これは、GSD/GSDMLファイルがデバイスの正確な特性と機能(I/O構成、診断機能、通信プロトコルなど)を定義しているためであり、ファイルがないとソフトウェアがそのデバイスを適切に構成できず、結果として通信が確立できない状態となります。
このように、プログラム吸い出しには機器構成に応じたソフトウェアやファイルの準備が必要です。
プログラム吸い出しをご検討の際は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。