【3/28公開】【長崎新聞様より県内企業「働き方改革」意識アンケートの記事を掲載して頂きました】
県内企業「働き方改革」意識アンケート
定年制廃止、能力開発…人材確保へ動き
経営者らの意識改革不可欠
労働時間の短縮、定年制の廃止、能力開発―。県内企業でも人材確保へ働き方を見直す動きがみられる。さらなる浸透に向け、識者は経営者と管理職の意識改革が必要と指摘している。
「心身にゆとりができ、わが子とも向き合えるようになった」。特別養護老人ホーム、ゆうゆうの里(五島市)内の保育所に「短時間正職員」として勤務する女性保育士(44)は仕事と家庭を両立させている。
同施設は昨年度、所定の労働時間「週40時間以内」を「週30時間以上」に短縮。週30時間の労働でも正職員と同じ待遇を受けられるようにした。「労働人口が減る中、働ける人に働き続けてもらう」(門原淳一施設長)のが狙いで、通算4人が活用した。柔軟な働き方が可能となり、離職率も下がっているという。
高齢者の就業促進も鍵を握る。タクシー会社の城山交通(長崎市)は昨年、運転手の65歳定年制を廃止。勤務日数を減らし、乗車前の血圧・体温測定など健康管理も徹底している。現在、65歳以上は全体の約3割に当たる20人、このうち70歳以上は11人となった。
中村弘幸社長は「まじめな働きぶりは若者の模範になる」、運転手の山口英明さん(69)は「働くことは活力になる」と双方がメリットを感じているという。
一方、亀山電機(長崎市)は毎月2回、全社員を対象として部署に応じた研修時間を確保している。「個人の能力が高まれば効率が良くなり、生産性も高まる」と狙いを明かす。
大和総研(東京)の経営コンサルティング本部廣川明子主任コンサルタントは、働き方改革を企業に浸透させるには、経営トップと現場の管理職の意識改革が不可欠と指摘し「〝時間〟でなく〝成果〟を評価する姿勢も重要だ」と話している。(山口紗佳)