【03/03公開】【3月3日日刊工業新聞社様にて亀山電機の内容を掲載頂きました】
SIerが拓くロボットの未来
海外メーカーと連携
亀山電機は機械制御の保守、保全サービスを得意とする。プラントや工場、オフィスに自社の技術者を派遣し、自動化やウェブなどの専門技術を使った最適化ソリューションを提供している。
特徴はシーメンスをはじめとする海外メーカーの技術やサービス、製品に特化して問題解決する点。2008年にシーメンスからソリューションパートナーの認定を受けた。19年にはシーメンスが主催する同社独自の分散制御システム(DCS)の研修に技術者が参加。2人が認定資格を取得した。
20年にはシーメンスのショールームを本社内に開設。シーメンス製プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)はじめ自動化や予知・予防保全に関するデモ機を展示する。国内ユーザーへの認知向上の取り組みを進める。
海外メーカーとの連携に特化する理由を北口功幸会長は「海外のエンジニアリング市場では、シーメンスを指名するエンドユーザーが多い。一方、国内では海外メーカー製品を取り扱う同業他社が少ない」と差別化戦略を強調する。
現在、力を入れているのが発電所やメーカーなどで使うコンベヤー向けの予知予防保全システム。長崎県の補助金事業を活用して構築した。コンベヤーは、わずかな傷が動作中の大事故につながりかねない。機械状態の可視化や温度を検知し、経年劣化を予知する。
北口会長は「データを集め、クラウド上に集積する仕組みが肝」と胸を張る。システムは大半がオーダーメード。すでに鉄鋼大手やゴムメーカーなど数社が導入を検討している。
今後、ロボットメーカーへのアプローチを強化するという。課題は同分野の専門用語の理解。ロボットに本格参入した際、顧客のニーズに速やかに対応するには言葉の理解がポイントとなる。「ロボットメーカー開催のセミナー参加やネット情報での学びなど準備を進めている」(北口会長)と力を込める。
【企業概要】
▽所在地=長崎市弁天町3の16、095・864・7000▽資本金=2080万円▽売上高=9億3800万円(20年3月期)▽従業員=79人▽設立=1996年(平8)10月