【03/20公開】【3月20日 中小機構ウェブサイトにて「J-Net21」の内容でご紹介頂きました】のご報告
海外で選ばれる理由は
亀山電機は長崎市に本社を置き、各種プラント設備の自動化を主力事業としている。電気設計から施工までを手がけており、海外メーカー製部品の積極採用で競合と差別化している。主要顧客は重工業や電機など大手メーカー。受注案件は海外にも広がり、現在は東南アジア諸国連合(ASEAN)地域で拠点化に動いている。社員に対して透明性を高めた経営スタイルもユニークだ。
亀山電機は1996年に北口功幸社長が設立した。設備自動化では、制御部品のプログラマブル・ロジックコントローラー(PLC)を用いた設計を得意とする。同社が顧客に選ばれる理由は、海外メーカー製部品の取り扱い方法にある。例えばPLCは独シーメンスや米ロックウェル、筐体(きょうたい)では独リタールを積極的に使う。これらは日本でシェアは低いが、海外では圧倒的に高い。海外で保守部品の入手が容易で、輸出向け設備や海外プラントでは顧客が海外メーカー製を指定することも多い。
ただ、特に海外製PLCによる設計は専門技術が必要で、日本で引き受けられる企業は少ない。その点で亀山電機は実績を積み上げており「競合は簡単に追いつけない」(北口社長)。技術者の養成にも力を入れており他社を引き離す。この強みを生かし、2014年度からタイとインドネシアで保守体制構築に動いている。中小企業基盤整備機構から事業化調査の支援も受け、18年のサービス拠点設置を目指す。
〝社員の意思を結集する方法″
また亀山電機は設立時から社員に対して、全経営情報を開示している。中でも会社手帳には、経営理念や財務情報、経営計画のほか、利益処理の優先順位なども記載。月次業績を記入する欄もあり、自社の現在と過去、未来を社員全員が共有している。この手帳は08年のリーマンショックで初の減収を経験、収益の伸びが鈍化した時に生まれた。これにより社員の意志を結集し、再び右肩上がりの成長が始まった。
また社員を大事にするという経営理念の下、社員持ち株を推奨。株主総会では社員が株主に変わる。「株主総会は経営者への通知表」と北口社長は気を引き締める。
北口社長は地元・長崎で活躍した坂本竜馬に心酔し、竜馬が興した「亀山社中」から社名を取った。また佐世保工業高等専門学校の恩師に受けた「長崎は西の果てだが気持ちは頂点を目指せ」との言葉を今も胸に抱く。北口功幸社長は「日本の西の果てから世界を変える」と躍進を誓う。
〝大口顧客に頼らず新規開拓″
亀山電機のもう一つの特徴が積極的な新規顧客の獲得だ。主要顧客からの大口受注だけで満足せず、新規顧客の受注で売上高を積み上げてきた。中でも蓄積したノウハウを生かし、シーメンスやリタールの技術情報を紹介するウェブサイトは、潜在顧客の方から連絡や受注が舞い込む「プル型営業」に奏功している。
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2015.3.20 中小機構ウェブサイト
(「J-Net21」http://j-net21.smrj.go.jp/well/genki/2015/03/post_750.html)より
亀山電機は、今後も確かな技術で地元長崎の発展のため、お客様と共に歩み続ける会社であり続けます。